【報告】5/3公開憲法フォーラムを開催(令和6年5月3日)
第26回 公開憲法フォーラム
「今国会で憲法改正の発議を!」開催さる
令和6年5月3日、800名参加のもと「第26回公開憲法フォーラム」を東京・砂防会館で開催しました(共催:民間憲法臨調/美しい日本の憲法をつくる国民の会)。
ライブ配信も同時に行い、全国18カ所でネット中継会場が設けられ、各地で憲法フォーラムが同時開催されました。
「今国会で憲法改正の発議を!」をテーマに掲げたフォーラムでは、ジャーナリストの櫻井よしこ氏の主催者挨拶の他、各界から提言があり、
また、岸田文雄・自民党総裁よりビデオメッセージを寄せられました。
岸田総裁は「社会が大きく変化し、憲法改正がますます『先送りのできない重要』な課題となる中にあって、国民の皆様に選択肢を示すことは『政治の責任』です。いたずらに議論を引き伸ばし、選択肢の提示すら行わないということになれば、『責任の放棄』と言われてもやむを得ません」「憲法改正という重要な課題について、党派を超えて連携しながら、真摯に議論を行う姿を国民の皆様にお見せしていきたいと」と述べられました。
各党からは、自民党の古屋圭司氏(自由民主党憲法改正実現本部長)、公明党の大口善德氏(公明党憲法調査会副会長)、日本維新の会の小野泰輔氏(日本維新の会憲法審査会委員)、国民民主党の玉木雄一郎氏(国民民主党代表)が登壇され、憲法改正実現への強い思いを表明されました。
フォーラムの全映像と、プログラム、声明文を以下に掲載いたします。
■第26回 公開憲法フォーラム【全映像】
■憲法フォーラムのアンケート募集中!(5/31まで)
ご意見・感想をお寄せください
https://forms.gle/qY1ANfUx9n7aXpdL8
■プログラム
〔ご発表順・ビデオメッセージ発表を含む〕
主催者挨拶
櫻井 よしこ氏(ジャーナリスト・主催者代表)
ビデオメッセージ
岸田 文雄 自民党総裁
各界提言
兼原 信克氏(同志社大学特別客員教授)
河田 惠昭氏(関西大学特別任命教授)
西 修氏(駒澤大学名誉教授)
糸数 健一氏(沖縄県与那国町長)
神野 正博氏(恵寿総合病院理事長)~能登からのメッセージ(ビデオメッセージ)
各党代表から
古屋 圭司氏(自由民主党憲法改正実現本部長)
大口 善德氏(公明党憲法調査会副会長)
小野 泰輔氏(日本維新の会憲法審査会委員)
玉木雄一郎氏(国民民主党代表)
結語
百地 章氏(日本大学名誉教授)
閉会の挨拶
打田 文博氏(美しい日本の憲法をつくる国民の会事務総長)
■声明文
今国会で憲法改正の発議を!
いま、日本は国難のさなかにあるといって過言ではない。ウクライナを侵略しているロシアに対して、中国はロシア産の原油輸入などで経済的に支え、北朝鮮は昨年来軍事協力関係を強化して砲弾や短距離弾道ミサイルを大量に供給しているとされる。イランはロシアに対して大量の無人機を輸出するとともに、3月中旬にはロシア・中国両国と海上合同軍事演習を実施するなど軍事的連携を強めている。
これらの世界情勢の変動は、欧米諸国を疲弊させ、東アジアにおける中国の軍事的挑戦への米国の抑止力を低下させる。今後、台湾や尖閣諸島の危機はさらに深刻さを増していくことが予想される。わが国国民の防衛意志を世界に示すための国防条項・自衛隊明記のための憲法改正は喫緊の課題である。
またわが国では、発生確率が高い首都直下地震や南海トラフ巨大地震に目がいきがちだが、令和6年1月1日に発生したマグニチュード7・6、最大震度7を記録した能登半島地震では、津波・土砂災害・道路寸断など奥能登地域を中心に北陸地方の各地で甚大な被害が発生した。わが国では、誰もが巨大災害に直面するリスクと隣り合わせで生きる運命から免れることはできない。
わが国には自然災害に対応する法律として災害対策基本法があり、過去の体験を踏まえ、法改正を繰り返してきた。しかし今回の能登半島地震は、災害に対応する第一次的責任は基礎自治体、すなわち市町村にあるという災害対策基本法の基本的な考え方と我々が実際に直面する巨大災害との間に矛盾があることを示した。法律での対応には限界があり、憲法への緊急事態条項の新設は不可避の課題である。
現在、自民党政権への国民の信頼が低下する一方、野党への支持も高まらない状況にある。国民は政治全般への不信感にかられているといってよい。政治が国民の信頼を回復する第一歩は、各政党が政治の原点に立ち返ることである。
政治の第一の責務は国家の独立、国民の安全と生命を守ることにある。そしてこの目的達成のために、課題があるならばその解決に全力で取り組むことである。
いま、その証となるものは、各党が党利党略を捨てて、国防条項・自衛隊明記と緊急事態条項の創設とのための改憲原案の合意形成に取り組み、一日も早い国会の憲法改正発議を実現して国民に信を問うことにほかならない。各党におかれては、今国会での発議に向けて、鋭意努力されるよう強く要望する。
令和6年5月3日
「21世紀の日本と憲法」有識者懇談会(通称 民間憲法臨調)
美しい日本の憲法をつくる国民の会